『ビーキーパー』ネタバレ考察|正体は何者?女王蜂の意味と結末を解説

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ジェイソン・ステイサム主演の映画『ビーキーパー』
いやぁ、強い。とにかく強い。
ステイサム主演のアクション映画なので、ある程度は予想していましたが、今回も期待を裏切らない強さでした。

ところが、この映画で最初に腹が立ったのは、敵との戦闘シーンではありません。
高齢女性を狙ったフィッシング詐欺です。
まるで普通の会社のようなオフィスで、人を騙して金を奪う連中。そのあまりにも平然とした態度に、観ているこちらまで腹が立ってきます。

そんな犯罪組織に、ひとりの養蜂家が立ち向かう。
ただし、この養蜂家、普通の人ではありません。
騙されるおばあさんと、容赦なく敵を倒していくステイサム。このギャップがすごすぎる。

しかも、話が進むにつれて、秘密組織「ビーキーパー」の正体や、女王蜂を排除するという不思議な考え方まで登場します。
単なる復讐アクションかと思いきや、意外と考えるところの多い作品でした。

今回は、物語の結末を振り返りながら、ビーキーパーの正体、女王蜂の意味、そして大統領一家にまつわる疑問について感想と考察を書いていきます。
※ここから先は映画の結末を含むネタバレがあります。

『ビーキーパー』あらすじ|詐欺事件から始まる復讐劇

主人公のアダム・クレイ(ジェイソン・ステイサム)は、静かな田舎で養蜂を営む男性です。
彼に土地を貸していたのは、エロイーズ・パーカーという高齢女性。
クレイにとって彼女は、自分を親切に受け入れてくれた大切な存在でした。

ところがある日、エロイーズはパソコンに表示された警告をきっかけに、詐欺グループの罠にはまってしまいます。
相手の指示に従って操作するうちに、自分の預金だけでなく、慈善団体の資金まで奪われてしまうのです。
絶望したエロイーズは自ら命を絶ってしまいます。

ここで印象に残るのが、詐欺の手口の生々しさです。
日本でも振り込め詐欺やサポート詐欺の被害が問題になっていますが、被害者が電話の向こうの相手に言われるがまま動いてしまう様子が目に浮かびます。

相手は怒鳴って脅すばかりではありません。親切そうに話し、安心させ、次の操作を指示する。
本人は問題を解決しているつもりなのに、実際には詐欺師の思いどおりに動かされているのです。

しかも映画の詐欺グループは、立派なオフィスを構え、従業員を働かせ、犯罪をまるで合法的なビジネスのように扱っています。
悪いことをしているというより、金儲けの何が悪いのかと言わんばかりの態度。
これが本当に腹立たしい。

そして、エロイーズの死を知ったクレイが動き出します。
詐欺グループのコールセンターを突き止めると、従業員たちを叩きのめし、建物を焼き払ってしまうのです。
いやいや、いきなりそこまでやる!?
普通なら警察に任せるところですが、クレイにそんなつもりはありません。
そして、この男がただの養蜂家ではないことが明らかになっていきます。

結末ネタバレ|黒幕デレクと大統領の運命

クレイが詐欺組織を次々と壊滅させていくうちに、その背後にいる人物が明らかになります。
黒幕はデレク・ダンフォース。

そして驚いたことに、彼の母親は現職のアメリカ大統領だったのです。
出ました。権力者のドラ息子!
映画やドラマではありがちな設定ですが、このデレクは相当ひどい。
高齢者を騙して金を巻き上げる組織を動かし、その犯罪収益を母親の大統領選挙にも利用していたのです。

しかも、詐欺には情報収集のために開発された高度な技術まで悪用されていました。
金も権力もある立場の人間が、さらに弱い人たちから金を奪う。
救いようのないクズっぷりです。

一方、大統領である母親は、息子の詐欺ビジネスの実態も、選挙資金の不正な出どころも知らされていませんでした。
終盤、息子から真相を聞かされた大統領は衝撃を受け、事実を公表する決意を示します。

しかしデレクは、自分を守るためなら母親さえ犠牲にしようとします。
追い詰められた彼はFBI幹部を射殺し、大統領を銃で脅して人質に取ってしまうのです。

そこへクレイが到着。
デレクを射殺し、大統領には手を出さず、その場から脱出します。
そして海へ逃れ、姿を消していきます。
最後まで強すぎるステイサム。

しかし、ここで気になるのは母親の責任です。
本人は知らなかったとはいえ、自分の選挙資金がどこから来たのか把握していなかった。
成人した息子の行動をすべて知ることはできないでしょう。

それでも、国家を動かす立場の人間が、自分の政治活動を支える金の出どころを知らないというのは、どうなのよ?

母親が詐欺を指示していたわけではありません。
けれども、知らなかったからそれで済む話でもないと思うのです。

なお、映画では大統領がその後本当に不正を公表したのか、辞任したのかまでは描かれていません。
このあたりは観客の想像に委ねられています。

ビーキーパーの正体とは?謎の秘密組織を解説

そもそも、ビーキーパーとは何者なのでしょうか。
英語の「Beekeeper」は養蜂家という意味です。
クレイは実際に蜂を飼っていますが、映画のタイトルにはもうひとつの意味があります。

それが、国家の秩序を守るために存在する極秘の工作員組織「ビーキーパー」です。
クレイはその元工作員でした。
この組織は、通常の政府機関や法執行機関とは異なる立場で活動し、社会全体の秩序が脅かされたときに動く存在として描かれています。
だから、クレイの戦闘能力は桁違い。

武装した警備員も、特殊な訓練を受けた殺し屋も、次々と倒していきます。
敵が何人いようが、ほとんど関係ありません。
ここまで強いと、もうハラハラするよりも「今度はどうやって倒すの?」という楽しみ方になってきます。

とはいえ、ビーキーパーという組織の全貌が映画の中で説明されるわけではありません。
誰が組織を作ったのか、どこまでの権限を持つのか、誰の判断で動くのか。
こうした部分は謎のままです。

だからこそ、ビーキーパーは国家の秘密工作員でありながら、国家権力そのものを脅かす存在にもなり得るのです。
大統領でさえ、絶対に安全とは限らない。
その考え方を象徴するのが、次の「女王蜂」の話です。

女王蜂を殺す意味とは?クレイの正義を考察

この映画で意外と面白かったのが、蜂の世界における女王蜂の交代についての話です。
劇中では、巣に害をもたらす子孫を生み出す女王蜂を、働き蜂が排除するという考え方が語られます。
いわゆる「女王殺し」です。

これが人間社会に置き換えられると、かなり恐ろしい意味になります。
社会全体をひとつの蜂の巣と考えるなら、大統領は女王蜂のような存在。

そして、その息子が社会を食い物にする犯罪者だったとしたら?
悪い息子を生み出した大統領自身も、排除されるべき女王蜂なのではないか。
そう考えると、クレイの最終的な標的が大統領かもしれないという疑いにも納得できます。

ただし、ここで実際の蜂の生態と映画の設定は分けて考える必要があります。
現実のミツバチでも、女王蜂の産卵能力の低下などによって新しい女王に交代することがあります。しかし、人間のような善悪の判断で女王蜂を処刑するわけではありません。

映画は蜂の生態を、社会の秩序や権力者の責任を表すために大胆に利用しているのです。
そして、この考え方にはもうひとつ疑問があります。
誰が、その女王を排除してよいと決めるのでしょうか。

クレイは詐欺の被害者のために戦い、犯罪組織を壊滅させていきます。
観客としては応援したくなります。
でも、法的な手続きを無視して人を殺してよいのかと聞かれれば、もちろん別の話です。

クレイは社会の秩序を守るために動いているつもりでも、その方法は社会の法律から大きく外れています。
ここが、この作品の面白い矛盾だと思います。

ただ、最後にクレイが殺したのは大統領ではなく、詐欺組織を率いたデレクでした。
母親は息子の犯罪を知り、真実を公表する意思を示していた。

クレイが彼女を殺さなかったのは、単に権力者だから見逃したのではなく、排除すべき相手ではないと判断したから、とも考えられます。
この解釈が正しいかどうかは明言されていません。

けれども、女王蜂の話を知ったうえで結末を見ると、クレイが誰を殺し、誰を殺さなかったのかにも意味が生まれてくるのです。

感想とまとめ|詐欺への怒りと強すぎるステイサム

『ビーキーパー』は、ジェイソン・ステイサムの圧倒的な強さを楽しむアクション映画です。
とにかく強い。敵がどれだけ武装していても、どれだけ人数を揃えても、クレイの前ではあまり意味がありません。

そして終盤、思わず笑ってしまったのが、クレイの前に立ちはだかる大男です。
黄色いジャケットに黒いひげ、しかもあの巨体。
どう見てもクマバチを連想させるビジュアルなのです。随分と蜂に寄せてきたな!www
ここはちょっとしたユーモアのセンスが光りました。

さらに「蜂は死ぬまで働く」というセリフまで飛び出し、そこからド派手なアクションに突入。
蜂の映画だからって、ここまで徹底するとは(笑)

もちろん、衣装が蜂を意識したものなのかはわかりませんが、あの姿を見た瞬間、思わず「まじか!」となってしまいました。
こういう遊び心のある演出も、この映画の楽しさのひとつだと思います。


さて、正直ここまで強いと勝敗を心配する必要すらなくなってきます。
それでも最後まで楽しめたのは、最初に描かれた詐欺事件への怒りがあったからだと思います。

高齢者を狙い、親切そうな言葉で誘導し、財産を根こそぎ奪っていく。
しかも詐欺師たちは、それを普通の仕事のようにこなしている。

この場面があまりにも腹立たしいからこそ、クレイの過激な制裁に爽快感を覚えてしまうのです。
現実なら許されない行為ですが、映画だからこそ成立する勧善懲悪の世界なのでしょう。

そして、もうひとつ印象に残ったのが、大統領の息子という黒幕の設定です。
政治家の子どもが権力を利用して悪事を働くというのは、映画ではおなじみの展開。
それにしても、ここまでクズに描かれるとは。

母親が知らなかったという設定にも、少々都合のよさを感じました。
国家を動かすほどの人物なのに、身近なところで起きている重大な不正を把握していない。
その一方で、真相を知れば公表しようとする良識も持っている。

この母親の描き方があるからこそ、最後にクレイが大統領を殺さなかったことにも納得できるのかもしれません。

そして「女王殺し」という蜂の世界の話。
最初は、そんな設定まで持ち出すのかと思いましたが、振り返ってみると映画のテーマをうまく表していたように感じます。

弱い者を食い物にする連中が、今度は自分たちより圧倒的に強い相手に追い詰められる。
社会の秩序を守るという名目で、国家の最高権力者さえ標的になり得る。
単純なアクション映画に見えて、意外と考える材料がある作品でした。

とは言え、難しいことを考えなくても十分に楽しめる作品です。
騙されるおばあさんと、殺しまくるステイサムのギャップがすぎる。
結局、このひと言に尽きる気もします。

続編『ビーキーパー2』も控えています。
今度はどんな相手を敵に回すのか。
そして、ビーキーパーという謎の組織について、さらに明らかになることはあるのでしょうか。
またあの規格外の強さを見られるのが楽しみです。

▶ジェイソン・ステイサム『ビーキーパー』をチェック!

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