『インターステラー』は面白くない?考察はほどほどに、それでも観る価値があった理由【ネタバレ感想】

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映画『インターステラー』を観ました。
クリストファー・ノーラン監督の作品です。
『インセプション』や『TENET テネット』も観ていますが、今回もなかなか手ごわかった(笑)

宇宙、ブラックホール、ワームホール、時間の遅れ、五次元空間……。
もう、頭の中が宇宙より広く散らかってしまいました。

ネットでは「すごすぎる」「傑作」と絶賛されている一方、「面白くない」「意味が分からない」という感想も見かけます。
私の感想はというと、正直、それほど面白いとは思わなかったんです。

映像は素晴らしかったし、印象に残った登場人物もいました。人間じゃないけど(笑)。
約3時間という長い作品です。それだけの時間を費やして観たのだから、面白くなかったという一言だけで終わらせたくはない。

今回は、結末のネタバレを含めながら、納得できなかったところ、良かったところ、そして感想と考察をまとめてみました。

『インターステラー』のあらすじ

近未来の地球では、異常気象や農作物の病気によって食糧不足が深刻化していました。
元NASAのテストパイロットだったクーパー(マシュー・マコノヒー)は、現在は農業を営みながら、息子トムと娘マーフを育てています。

ある日、娘の部屋で起こる奇妙な現象を調べたクーパーは、秘密裏に活動を続けていたNASAの施設にたどり着きます。
そこで知らされたのは、人類が地球で生き続けることは難しくなっているという事実でした。

NASAは土星付近に出現したワームホールを利用し、別の銀河にある、人類が移住できる惑星を探そうとしていました。
そしてクーパーは、その探査計画の操縦士として宇宙へ向かうことになります。
幼い娘マーフは父親が出発することに強く反対しますが、クーパーは必ず帰ると約束して地球を離れます。

ところが、宇宙では地球とは時間の進み方が異なります。
ブラックホールの近くにある惑星では、わずか1時間が地球の約7年に相当するというのです。
クーパーたちが宇宙で過ごしている間にも、地球では何十年もの時間が流れていきます。

『インターステラー』の結末|未来の人類が過去の人類を救った?

※ここから結末のネタバレを含みます。

クーパーたちは移住先となる惑星を探しますが、次々と困難に見舞われます。
水に覆われた惑星では巨大な波に襲われ、別の惑星では先に送り込まれていたマン博士(マット・デイモン)が、生存可能というデータを偽っていたことが判明します。

やがてクーパーは、アメリア・ブランド博士(アン・ハサウェイ)を最後の候補地へ向かわせるため、自らブラックホールへ落下する道を選びます。

ところが、ブラックホールの中でクーパーがたどり着いたのは、娘マーフィ―の子ども部屋につながる不思議な空間でした。

そこでは、過去のさまざまな時間のマーフィ―の部屋を見ることができます。
そして、子どもの頃のマーフィ―が幽霊だと思っていた存在は、実は未来から干渉していたクーパー自身だったのです。

クーパーはロボットのTARSが収集したブラックホール内部の量子データを、重力を使って時計の秒針に伝えます。
大人になったマーフィ―(ジェシカ・チャステイン)は、そのメッセージを解読し、重力の問題を解決。人類を地球から脱出させることに成功します。

クーパーはその後、土星付近で救助され、宇宙ステーションで目を覚まします。
そして、すっかり年老いたマーフィ―と再会します。

一方、アメリアはエドマンズの惑星に到着し、新たな人類の拠点を築こうとしていました。
クーパーはマーフィ―に促され、TARSとともにアメリアを探しに宇宙へ向かいます。
ここで物語は終わります。

では、そもそもクーパーを助けた謎の存在は何者だったのでしょうか。
劇中では、五次元の空間を用意した存在について、遠い未来の人類ではないかという説明がされています。

つまり、未来の人類が過去の人類を救ったということらしい。
なるほど……。
いや、ちょっと待って。

その未来の人類は、最初にどうやって生き延びたんでしょう?
過去の人類が救われなければ、未来の人類は存在しない。
未来の人類が存在しなければ、過去の人類を救うこともできない。

こうした因果関係が輪になっている構造は、時間を扱うSFではおなじみですが、考え始めるとキリがありません。
ここで私は思ったんです。
この映画、深く考察したらいけない作品なんじゃないかと。

『インターステラー』が面白くないと感じた理由

農業をしていたクーパーが、いきなり宇宙へ?

まず気になったのが、クーパーの宇宙探査への参加です。
もちろん、彼が元NASAの優秀なテストパイロットだったことは分かっています。
だから宇宙船の操縦技術がないという話ではありません。

でも、それまで農業をしていた人が、秘密施設を偶然発見したと思ったら、あれよあれよという間に人類の運命を左右する宇宙探査へ参加することになる。
しかも、未知の惑星へ向かうという、前例のない危険な任務です。

映画の中では、クーパーの能力やNASAとのつながりが参加の理由になっていますが、私には少々展開が都合よく感じられました。
もっとも、ここでいちいち疑問を持っていたら、物語が始まらないんですけどね(笑)

異次元空間まで行くと、もう何でもあり?

ワームホールを通って別の銀河へ行くという設定も、かなり大胆です。
ワームホールは理論物理学で考えられているものですが、実際に存在が確認されたわけではありません。

ただ、映画はフィクションです。
宇宙船が未知の銀河へ向かおうが、ブラックホールの中に不思議な空間があろうが、映画だから何でもあり。
そこを否定するつもりはありません。

問題は、あまりにも複雑な設定を積み重ねられると、何がどうなっているのか理解するだけで精一杯になってしまうことです。
こちらの1時間が、あちらでは7年。

さらに何十年も時間が経過し、最後には過去と未来がつながってしまう。
考察すれば理解できる設定もあるのでしょうが、すべてを追いかけていたら、肝心の映画を楽しむ余裕がなくなってしまいます。

考察すればするほど謎が増える。だったら、ほどほどにしておこう。
私はそう思いました。

壮大な宇宙探査が、いつの間にか家族愛の物語に

そして、もうひとつ。
私が『インターステラー』にそれほど夢中になれなかったのは、宇宙探査という壮大なテーマに対して、家族愛の要素があまりにも強かったことです。

地球が滅びようとしている。
人類が生き延びるために、未知の惑星を探しに行く。
こんなスケールの大きな物語なのだから、私はもっと宇宙探査そのものを見たかったんです。

ところが、物語が進むにつれて、中心になるのはクーパーと娘マーフィ―の関係。
もちろん、父親が娘を思う気持ちも、娘が父親を待ち続ける気持ちも分かります。
それが作品の重要なテーマであることも理解できます。

でも、私には家族愛が前面に出すぎて、宇宙探索の壮大さが少し薄れてしまったように感じられました。
科学的な話をしていたはずが、最後には親子の絆が人類を救う鍵になる。

そういう物語が好きな人には、たまらない結末なのでしょう。
ただ、私はもう少し宇宙のほうに比重を置いてほしかった。
これは完全に好みの問題です。

年老いたマーフとの再会にも、感動が追いつかなかった

クーパーがようやく娘と再会する場面。
本来なら感動するところなのでしょう。
ところが、私は感動する以前に、状況を理解するので精一杯でした。

クーパーはそれほど年を取っていないのに、マーフィ―はすっかりおばあちゃんになっています。
いや、そこまでおばあちゃんにしなくてもよかったのに……。
そんなことまで思ってしまいました(笑)

もちろん、親子の間に流れた時間の大きさを見せるための演出だということは分かります。
それでも、ようやく再会できた親子なのに、あまりにも時間が経ちすぎている。

そして、再会したと思ったら、クーパーはアメリアを探しに行くことになります。
マーフィ―自身が父親に行くよう促しているので、物語としては筋が通っています。
でも、私は感動の余韻に浸るより、次々に起こる展開を追いかけるほうが忙しかったんです。

それでも観る価値はあった!宇宙の映像とTARSが素晴らしい

ここまで不満ばかり書いてしまいましたが、良かったところもあります。
まず、宇宙の描写です。
ブラックホールの姿、宇宙船が飛行する場面、巨大な波が押し寄せる惑星など、映像には圧倒されました。

特にブラックホール「ガルガンチュア」の描写は印象的です。
理論物理学者キップ・ソーンの協力を得て制作されたことでも知られています。
宇宙の広さや未知の世界の恐ろしさを、映像として体験できたことには十分価値がありました。

そして、もうひとつ気に入ったのがTARSです。
あの長方形のコンピューター!
最初に見たときは、なんとも不思議な形のロボットだと思いました。

人間のような顔もなければ、普通の手足もありません。
それなのに、歩く、走る、形を変える。しかも、かなり有能。
会話にはユーモアもあるし、危険な場面では頼りになる。

人間の登場人物にはいろいろ疑問が残ったのに、TARSにはほとんど不満がありませんでした。
結局、いちばん気に入った登場人物が皮肉にも長方形のロボットだったという(笑)

それから、ジェシカ・チャステインが演じた大人のマーフィ―も良かった。
私はジェシカ・チャステインが好きで、特に『女神の見えざる手』が印象に残っています。

今回も、父親への複雑な思いを抱えながら研究を続けるマーフィ―の姿には存在感がありました。
こうした映像や俳優の演技、個性的なロボットなど、楽しめた部分は確かにあったんです。

まとめ|面白くない映画だった?それでも3時間は無駄じゃなかった

『インターステラー』は、絶賛されている理由も分かる映画です。
宇宙の描写は見事だし、科学的な理論を取り入れた壮大な世界観にも魅力があります。
父と娘の絆に感動した人も多いでしょう。

私は、複雑な映画そのものが嫌いなわけではありません。
むしろ、いろいろな伏線が張られていて、最後に「あれはこういうことだったのか!」とつながる作品は大好きです。

その点、『インターステラー』は、ひとつ理解したと思ったら、また別の疑問が出てくる。
もちろん、映画の中で説明されていることもありますし、見直せば理解が深まる部分もあるのでしょう。

でも、どこまで考察しても、作品が明確に答えを示していない部分については、結局、自分なりの解釈にしかならない。

だったら、無理にすべてを理解しようとせず、映画として楽しむほうがいいのではないかと思いました。考察したところで、どこまで正解に近づけるのかも分からない。

でも、だからといって観なければよかったとは思わないんです。
宇宙の映像は素晴らしかったし、あの長方形のロボットも気に入りました。

何より、約3時間もかけて、壮大な宇宙旅行を体験させてもらったわけですから。
つじつまが合わないところは気になる。でも、映画として楽しめた部分まで否定する必要はない。
『インターステラー』は、私にとってそんな作品でした。

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