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『ウインド・リバー』は何度も観ている映画です。
何度も観る理由のひとつは、主演のジェレミー・レナーが好きだから。
でも、それだけではないんですよね。
この映画、舞台がとにかくシンプルなんです。
見渡す限りの雪、雪、雪。
たまに建物があって、あとは山と森。余計な情報がほとんどない。
こういう映画がいい。
画面がごちゃごちゃしていないから、人物の動きや表情に自然と目が向くし、物語にも集中できる。
もっとも、起きている事件は相当に凄惨なので、のんびり雪景色を楽しんでいる場合ではないんです。
個の記事では『ウインド・リバー』のあらすじと感想・考察をまとめてご紹介します。
コリーという男の、圧倒的な安心感
この映画で何がいいって、ジェレミー・レナー演じるコリー・ランバートです。
彼はFBI捜査官でも警察官でもありません。野生動物の管理を仕事にしているハンターです。
ところが、この男、雪山のことなら何でも知っている。
雪に残った足跡を見れば何が起きたのかを読み取り、動物の習性も熟知している。厳しい自然の中でどう行動すればいいのかもわかっている。
しかも、それをいちいち自慢しない。
淡々と仕事をしているだけなのに、ものすごく頼りになるんですよね。
新人FBI捜査官のジェーンがやって来ますが、彼女にとっては何もかもが未知の世界。
捜査の専門家であっても、雪山では勝手が違う。
そんな中でコリーがいる安心感といったら。
雪に不慣れな新人捜査官と雪山のプロのコンビがワクワクします。この構図って意外と現実にありがちなのです。山登りのプロのおじさんを「師匠」と呼び山をレクチャーしてもらう若い女性とか。ちょっと話がそれましたがw
あの銃撃戦も、コリーなら当然でしょう
終盤の銃撃戦は、なかなか強烈です。
それまで静かに進んでいた物語が、一気に激しい展開になる。
そして、ここでコリーの射撃技術が発揮されるわけですがいや、もう、圧倒的。
ただ、不思議と「なんでこんなに強いの!?」とは思わないんですよね。
むしろ、コリーなら当然。という感じ。
ずっとあの土地で生きて、動物を追跡し、銃を扱ってきた人ですから。
映画の前半で積み重ねられてきた彼の経験が、終盤になって一気にものをいう。
突然ヒーローに変身したわけじゃないんです。
最初から、あの雪山では誰よりも頼れる男だった。
そこがいいんですよね。
雪山の美しさと、そこで生きることの厳しさ
雪景色が好きだと言いましたが、この映画の雪山は、決して優しい場所ではありません。
冒頭のナタリーが極寒の中を逃げ続ける場面は、その恐ろしさを嫌というほど見せつけます。
コリーにとっては熟知した土地でも、誰にとっても安全な場所というわけではない。
ここが面白いところだと思うんです。
同じ雪山なのに、コリーにはそこに残された情報が読める。
一方で、ナタリーにとっては、生き延びることさえ難しい場所になってしまう。
美しい景色の中で、こんなにも残酷なことが起きる。
そして、その残酷さを必要以上に飾り立てず、淡々と見せていく。
余計な情報が少ないからこそ、事件そのものの恐ろしさが際立っているようにも感じます。
最後の父親二人の場面は、意外と冷静に観てしまった
ラストでは、娘を失った二人の父親が並んで座っています。
おそらく、この映画の中でも重要な場面なのでしょう。
コリー自身も娘を亡くしているからこそ、ナタリーの父親の悲しみがわかる。
事件が解決したからといって、娘が帰ってくるわけではありません。
あの場面はとても静かでした。
ああ、こうして二人は、それぞれの悲しみを抱えたまま生きていくんだろうな、と。
映画が感動を押しつけてこないところも、悪くないと思います。
事件が解決しても、すべてが解決したわけではない。
だからといって、最後に大げさな言葉を交わすわけでもない。
あの静けさは、この映画の雪景色によく似合っています。
何度も観たくなるのは、結末を知っていても楽しめるから
『ウインド・リバー』は、犯人が誰なのかを知ってしまえば終わり、という映画ではないと思います。
実際、私は何度も観ています。
もちろん、事件の背景にある先住民女性の失踪や暴力の問題は、この作品を語るうえで外せません。
ただ、個人的に何度も観たくなる理由は、もう少し単純です。
雪山という余計なもののない舞台。
そこで暮らし、土地を知り尽くしているコリーという人物。
そして、その役にぴったりとはまっているジェレミー・レナー。
派手な仕掛けが次々に登場するわけでもないのに、ずっと観ていられる。
結末を知っていても、コリーが雪の中を歩き、痕跡を読み、淡々と行動する姿をまた観たくなるんですよね。
結局のところ、私はこの映画の物語だけでなく、コリーが生きているあの世界そのものが好きなんだと思います。
まだ観ていないという方はぜひ
💡「ウインドリバー/ジェレミー・レナ―」


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